撮影は、前半・静岡編、後半・東京編に分けて行われた。クランクインは2014年10月18日。マユと鈴木が出会う居酒屋でのコンパのシーンの撮影。肩パッドのスーツ、アラレちゃん眼鏡、ソバージュ等ザッツ80年代ないでたちの俳優たちが並び壮観だ。その中で、マユをどういうふうに演じようか悩んでいた前田敦子だったが、堤が指示した、カメラ目線で小首をかしげるという仕草をやったことで、マユの方向性を発見したという。このマユのカメラ目線は以後必殺カットとして何度も登場する。
撮影スタッフは常に「マユかわいい〜!」という気持ちで撮り続けたと言い、堤も終始「かわいい、かわいい」を連発していた。いつもは「かわいい」と言われることが好きではないと言う前田だが、この役はかわいさが必要と割り切り、男の人のある種の理想を体現し続けた。
前田は、この作品では、アイドルのような海での水着シーン、ちょっとはすっぱに喫煙するシーン、キスシーン、軽いベッドシーン、暴力を振るわれるシーンなど「体を張るシーンが多く、頑張りました」と振り返る。
冴えない鈴木が夢中になる可愛い女の子役を演じるに当たり、前田はカメラが回っていない間もテンション高く、現場のアイドルのように存在していた。彼女に影響されて松田翔太はじめ共演者たちは皆、終始わいわいにぎやかだった。まるで劇中、みんなが海やテニスや飲み会で盛り上がっているかのように。
静岡、都内近郊などで撮影した後、11月10日にクライマックスのクリスマスシーンを筑波のホテル前にて撮影し、11月12日に、八王子のデパートCELEOでの買い物デートの撮影で静岡編はクランクアップ。
静岡県内の主なロケ地
マユと鈴木がデートするバー:びすとろ光輪(清水区)
噴水のある公園:常磐公園(葵区)
鈴木がジョギングしている道:静岡県立美術館(駿河区)
その他、鈴木がイメチェンのため買い物している店も県内の実在店舗。