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【イニシエーション・ラブ】STAFF
DIRECTOR 監督 堤 幸彦 YUKIHIKO TSUTSUMI

1955年11月3日 愛知県出身。映画監督。演出家。映画、テレビドラマ、音楽ビデオ、舞台の演出など幅広く活躍する。映画監督デビューは、88年、故・森田芳光プロデュース『バカヤロー! 私、怒ってます』(88)内の『英語がなんだ!』。人気テレビドラマの映画化『トリック 劇場版』シリーズ(02、06、10、14)、『劇場版 SPEC』シリーズ(12、13)や、『20世紀少年』3部作(08、09)『エイトレンジャー』シリーズ(12 、14)などのエンターテインメント作を多く手がける一方、『明日の記憶』(06)、『MY HOUSE』(12)、『くちづけ』(13)、『悼む人』(15)、ドキュメンタリードラマ「Kesennuma Voices.東日本大震災復興特別企画〜堤幸彦の記録〜」(12〜)など社会派作品にも挑んでいる。また、AKB48「フライングゲット」のPVも手がけた。テレビドラマ「ヤメゴク〜ヤクザやめて頂きます〜」がTBSにて放送中(4/16〜)。『天空の蜂』が今秋公開を控える。

― 小説「イニシエーション・ラブ」を読んで感じたことを教えてください。

「単純に可愛らしい恋愛ものではなく、最後の大どんでん返しを含むサスペンス性が最大の面白さですが、僕にとっては、80年代を生き抜いてきた人間として、あの時代の空気に触れる楽しさも大きな魅力でした。特に、劇中に登場する80年代ポップスが良い曲ばかりで、乾くるみ先生の選曲のすばらしさに唸りました。小説に登場する楽曲を随所に入れて編集していく作業は楽しかったです。耳の優秀な音楽スタッフが集まって、タイミングの合わせ方なども非常に気持ちがよくできました。なんといっても、名曲はどんなシーンにも合う。それを今回改めて実感しました。劇的な部分だけでなく、日常生活にもうまくハマります。」

― 映画化にあたって重要視した点はどこですか。

「ふたりの女性との恋を通して、モテない男の気持ちや、カップルのすれ違いなどをテーマに描きたいと思いました。鈴木が体験することは、男性なら誰もが一度や二度経験していることですから。特に、前半の鈴木のドキドキ感には力を入れています。鈴木の妄想視点としてマユのまわりに花を描きまして、彼女が動くと花も一緒に動くというのがポイントです(笑)。あとは、できるだけわかりやすくすることに腐心しました。音楽がかかっていてもセリフがちゃんと聴こえるように微妙な調整をしていますし、静岡編は暖色のアンバー系で、東京編は寒色のブルー系と色づかいも分けています。」

― 松田翔太さんについて。

「松田翔太さんとは、彼が15歳の頃、映画を1本、一緒にやろうとしたことがあって、残念ながら実現しなかったんです。以来、いつか一緒にやりたい、これまであまり見たことのない松田翔太像を作りたいと思っていたので、今回、このようにトリッキーな作品で一緒にできたことを嬉しく思います。地面から数センチ浮いている男を天才的なまでに演じてくれました。」

― 前田敦子さんについて。

「前田敦子さんは、PVと映画で1本ずつ仕事をしていますが、今回は、彼女に“男殺し”の表情をしてもらいました。カメラ目線を意識した前田さんのアップがこの映画のポイントのひとつです。撮っていると、彼女がAKB48のセンターだった意味がすごくわかるといいますか、圧倒的に“持ってる”感じがしますよね。」

― 木村文乃さんについて。

「前田敦子さん演じる静岡の女とはまた違う、都会の女の怖さみたいなものを見事に出してくれました。地方出身の人間から見ると、東京の女性はなんのコンプレックスもなく、生まれも育ちも学校も恵まれていて、堂々としているんです。そんな彼女の、前田さんとはまた違ったカメラ目線をお楽しみ頂きたいです。」

― この映画をお客さんにどのように観てほしいですか?

「マユという女性の気持ちをいろいろ詮索して楽しんで頂きたいです。」

SCREENWRITER 脚本 井上テテ TETE INOUE

1978年10月11日 千葉県生まれ 2003年に劇団Dotoo!に入団し、福田卓郎のもとで演出助手をつとめる。 2005年、劇団熱風隊(のちにザッパー熱風隊に改名)を立ち上げ、全作品の脚本・演出・出演をする。現在は劇団の活動を休止し、舞台脚本・演出や、映像脚本、ヒーローショーの脚本・演出などで活動中。代表作:キバコの会第5回公演「KAKOCHI-YA」、NHK Eテレ「大!天才てれびくん ドラマ大天才テレビジョン」、東映ヒーローショー「烈車戦隊トッキュウジャーショー」シリーズ